2006年 01月 16日

エッジの掛かりと方向性

スノースクートのボードは年々進化している。各ブランドとも近年の進化には目を見張るモノがある。ボードの性能要素は多々あるが、一つにエッジの「掛かり」があると思う。その辺についてつらつらと。

要素として

滑走においては、フレックスやトーション・シェイプ等の要素も最終的にエッジの「掛かり」を調整する要素でしかないのではないかと思う。違うかな?それらのバランスが最適化されてエッジの掛かりのコントロール性が高くなってきている。

しかし、エッジは掛かれば良いモノでもない。ただ、カービング性能を求めるのであれば「掛かり」が高い事は必要な要素ではある。「掛かる」が、反面「ずらし」はし難い。カービングに命を捧げるライダー以外には「ずれる」要素も高い必要がある。トータル的な性能を上げる為に、相反し、矛盾する2つ性能を高める事は難しい(出来ないとは言わない)。

2つあるから反してしまうし、矛盾もある。だから、目的を一つにする。

「コントロール性」という性能へ。これが本質なのかと思う。ライダーが好きな時・タイミングで「掛かり」「ずらし」が出来る事。なんのストレスもなくコントロールできる事。

エッジがコントロール出来ない例

上下軸に対してのコントロール

カービングターンでFボードが引っ掛かり減速し、起き上がれずにコケる。また、切れ込んで行くがターンから抜け出せず、これまた起き上がれなくてコケる。コレはどちらもエッジは「掛かる」が向きをコントロール出来ずにコケる典型。

前者は2パターンある。一つは曲がりたいがボードが撓らせられず、その分ハンドルを切り過ぎノーズが刺さってしまう。もう一つはボードが体重やスピードに対して支えきれず、ノーズ部とプレート下の固定部の撓りが不均一になり抵抗が生まれる。エッジが「掛かる」分、抵抗も大きい。後者はボードが硬いまたはボードアタッチメントでの固定度が低い(一般的に軟らかい)為、ライダーのアクションでボードが撓らせられないまたは力が伝わらない。エッジの向きを変える為には力が必要。

前後軸に対してのコントロール

お次は横を向いていて「ずらし」をしているが、ずれまくって減速しないなかったりエッジが抜けてコケる。または、「ずらし」そのものが出来ない。コレも典型。

エッジは雪面に対して起きると「掛かる」し寝ると「ずれる」板モノの基本原則です。スノースクートの場合、エッジの角度はフレームに対して垂直てのも基本原則。違っても良いがスゲェコントロールし難い。これは誰でも解る事だが、気が付かない人が多い。どういう事かと言うと、曲がりたくて一生懸命、足で車体を倒そうと頑張っても車体が倒れないとエッジは「掛からない」し、曲がらない。逆に足は脱力系でも車体さえ倒せば「掛かる」し曲がる。てことで、車体の角度を気にしましょう。エッジの角度は車体の±90度。テクニック編でした。

得意の話が外れます

しかしココまで言っておいて、そうとも限らないとも言っておく。それはセッティングによって大きく変わるから。ボードには捻れというモノがあるから。最初に言いますよ。話はずれます。

フレームとボードが垂直な関係にあるのは、ヘッドチューブやトップチューブと垂直であるデッキがボードと水平である事で判る。しかし、各種あるボードアタッチメントのセッティングや特性によって、ライディング時にデッキとボードは平行ではなくなる場合がある(厳密に言えば、ならないモノはないと言って良い)。それはロール特性によるモノ。

例えば右にターンする。ライダーは右足で荷重し、右側のエッジで雪面を捉えようと起こそうとし、車体を倒す。右側のみのボードアタッチメントが潰れ、ボードとデッキの距離が近付く。これでロールが完成!この現象が起きているという事は、ボードアタッチメントが車体を支えられる硬さまで潰れないと、ボードが反応せず、エッジが起きないという事なのです。初期の動きがボードアタッチメントに吸収され、ライダーからボードへの力の伝達が遅く不安定になります。ボードアタッチメントが軟らかければ軟らかいほどこの現象は大きく現れるのです。コレでは繊細なコントロールが不可能になります。

ココまで説明したので、ついでに。

軟らかいボードアタッチメントやセッティングで滑りやすい。またはカービングに入りやすいと感じるライダーは、車体を倒さないと十分な荷重とコントロールが出来ない場合が多いです。安定していない初期の体の動きでボードは動かず、倒しこみ荷重で体が安定後にボードが動き出すからという理由。身に覚えがあるライダーは、確認してみましょう。常に内足荷重を意識し、倒し込みながら安定したフォームを探すのではなく、体で覚え込み瞬時に行える様に意識すると良いと思います。

話を戻して説明

ずれまくったり、エッジが抜けるのは、大抵、ロールが大きくエッジが寝てしまうの原因。昔はボードアタッチメントがチープで元々ペラペラだったから少なかった。「ずらし」が出来ないのは、大抵、ハンドル操作が不足で内傾だけで曲がろうとする為。気持ちだけ曲がって手足に気が行っていないとか。

何書いてるのか判らなくなって来たので、いったん無理やりまとめる

この様に出来ない理由ばかり書いてしまったが、エッジには「方向性」があるという事が言いたい(言えてない)。例えの様にならないようにエッジの方向をコントロールすると思い通りに滑走できるって事(何言ってんだ?)。

だから、どうしたと言われると、コレを踏まえてセッティングやライディングをしてください。と言う事。この先はあり過ぎて書けない。

まだ、言いたい事があった

まな板理論でOST-06C

先シーズンにOST-06Cをまな板理論に基づいて組んでテストをしました。ご存知かと思うがOST-06Cは軽量級のライダーに対して最適化した為、従来のボードよりも、撓りやすく、捻れやすい特性となっています。

この組み合わせで組むと、今までに在り得なかったエッジの掛かりが生まれました。まな板理論はボードとフレームの固定面積は小さく固定度は高く(ボードアタッチメントは変形しない)とてもダイレクトに力が伝わります。従来ではエッジが掛かっても雪面が耐えられなく崩れてしまい、結果ずれるという大きな力の場合でも、固定面積を小さくしてボードのフリーな部分を増やしているので、とてもフレキシブルに動き力を伝えつつ、吸収しつつエッジを離さない。且つ方向性のコントロールも容易という特性になったのです。珍しく専務も褒めてくれたので印象深い思い出です。しかし、力は逃げず撓りが自分に戻ってくる為にとても疲れました。スノースクートの性能が高過ぎてもライダーも高くないとダメだコリャ!っていう実体験でした。今後はボードの動きを抑えつつ調整しようと企んでいます。

逆ハンでの掛かり

普段はボードにも荷重し使っていても、急斜面やスピードが出ると荷重できなくなるライダーが多く見受けられます。その場合、逆ハン(ドル)を切ってノーズが雪面より離れている状態です。それでも(大抵)Fボードは使われています。

ドコがドノようにと言うと、逆ハンを切る事により最も撓りにくい後側の角が雪面に引っ掛かり、抵抗になって支えています。リア荷重になってしまいリアボードメインに乗ってしまうのですが、テールのフリーな部分とフレーム固定部では、コントロールのバランスが取れず、それを補う為に使われている様です。

僕はダメとは言いませんが推奨しません。なぜなら、エッジの方向性を無視した減速行為になるからです。勿論、リカバリーや局地的なライディングには必要ですがね。要は、在るモノは有効に使いましょう!って事。

まとめられず、しかし、書き直す気にもなれず

たまには(イツもか?)、訳解らなくても察して解ってください。

ちなみに、今回の内容は「王座のひみつ」で重要な事も含まれます。

Posted at 18:17 in /snowscoot | Permalink | WriteBacks (2) Edit



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スノースクートライダーなカトウヤスヒロ

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